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主宰鼎談① 作品を選んだ経緯

  • 執筆者の写真: odoribakurageinfo
    odoribakurageinfo
  • 10月30日
  • 読了時間: 7分

1.作品を選んだ理由

白江:最初は作品を選んだ理由から!


栗茂:それはもう。


白江:美月さん。


栗茂:美月さん。


綿貫:はい。私がやりたかったからという笑

もう、シンプルに言えばそれだけなんですけれども。


栗茂:あれ、ちゃんと使いましょうよ。言葉。

バケットリストってやつを。


綿貫:あ、そうですね。バケットリストですね。前の劇でも出てきた言葉。

死ぬまでにやりたいことリストって意味なんですけど。

なんか死ぬまでにやりたいことを、ふと考えた時に。

この劇をやらずに終わるのは嫌だなと思って。

怖いと、思ったんですよね。なんでだろう。


白江:なんでですか?それは。


栗茂:確かに。


綿貫:『散歩する侵略者』は、私が演劇をやっていくっていう上でずっと憧れであった作品なんです。

最近、私って演劇して何をやっていきたいのかなとか考えてて。

演劇やるのは楽しいですけど、やっぱり人に見てもらってナンボのものだと思うので。

お客様に何を観てもらいたいんだろうって思った時に、この作品すごく面白いんだよって、私が思ってるものを見せてみたい、何か受け取ってもらえたらいいなという気持ちがあって、演劇をやってるなと思って。

で、その中で私が今まで見て、1番感銘を受けたというか。

「すごい、この作品めちゃくちゃ面白いじゃん、演劇って面白いじゃん」って気づかせてくれた作品なので、色んな人に見てもらいたいなという思いが芽生え始め。

そんなことを考えていたら、ああ、私この作品、やらずに終わったらすごい後悔するかもなと思って。

演劇をやっている以上、この作品を1度、やってみたいという気持ちを、数年前に持ち。

でも、なんかできると思ってなかったんですけど笑


白江:うん。


綿貫:やりたいなっていう憧れだけずっと思っていて。



2.やってみたい役・作品について

白江:で、その役(加瀬鳴海役)がやりたかったんですか?


栗茂:あ、そうそう。それは俺も聞きたいと思ってた。


白江:いや、もうキャスティングした後笑


綿貫:あーでも、確かに最初に見た時に、鳴海すごいなと思ったのはすごい印象にあって。


白江:あれ、直接、舞台を見て。


綿貫:いや、DVDで見て。なんかこれだけ色々なものためてためての思いが、最後、本当に、何かなくなっちゃったかのように変わる演技が、うわすごいって、大学生の時に見た時にびっくりした。

あとやっぱ印象的だったのは、天野役。


栗茂:うん。


綿貫:印象的って言うか。こわい…すごい好きだったな。うん。やりたかった。


でもそうですね、鳴海の役をやってみたい、いつかこういう役できる役者になりたいなというのは、多分ずっと思っていて。

でもいつまでたっても結局憧れだと、多分ずっと憧れのままなんだろうなとは、思っておりました。

そうですね…。

結論から言うと多分鳴海の役やってみたかったなというのはありますね。

でもやっぱとにかく作品をやりたかった。

鳴海をやってみたかったのも1つあるし、この面白い作品を届けたいなって思ったのも1つあるという。やりたい理由2つある感じです。なんなら私は天野の役やってみたかった。


白江:なるほどね。天野か、鳴海ね。


綿貫:宇宙人もやりたかった。

楽しそう。もうね。ひたすらね人をおちょくりたい。


白江:おちょくるみずきさんを見てみたいけど。


綿貫:あんまりそういう役貰ったことないんで。


白江:ほう。俳優として「この役を演じてみたい」という欲求でもって、上演まで漕ぎつけちゃうんだからすごい。強い、強い演劇人だなと思う。


綿貫:いや、もう本当に周りの人に恵まれたおかげでしかないんですけど、それは。


栗茂:俺は、なんか美月さんのその届けたいって姿勢がなんかすごい良いなと思って、すごい力強いなと。それは手伝いたい、一緒にやりたいっていうのがありました。


白江:うんうん。やりたかったです。それはもう、すごいなと思って。


栗茂:なんかその思いに、こう、ちゃんと引っ張られてるっていうか、こっちもちゃんとしたもの作らないとな、って気持ちになりますよね。


綿貫:嬉しいな。


栗茂:今回の共演者の方でもそれがあるんだったらやらなきゃね、みたいな事言ってくれてましたね。


白江:なんか、私は、今まで聞いたこと無かったんですよ。

今まで周りの人間が死ぬまでに、みたいな、芝居があるって。うん。


栗茂:たしかに。


白江:なんかそこまで思う芝居があるんだったら。もう、なんか是非みたいな感じで。うん。


綿貫:まじっすか。


栗茂:いや、いま言われて思いましたけど、好きな作品はもちろんあるんですけど。

それを自分がやりたいっていう思いはまた別かも。


白江:似てるって思うのかな。それ。自分が。その人やりたいって事ですもんね。

すごいな。わかんない。役者って、やっぱ分かんねえな。

不思議な生き物。面白いですね。ねえ。


綿貫:そうですね。なぜだろう。何でって難しいですけど。

でもなんかこの役やってみたいなってありません?しげさん。


栗茂:今まで自分が見た中でって事ですよね。うーん。


白江:見た中でも見てなくてもいいんですけど笑

なんか例えばハムレットとか。


綿貫:でもなんか、ね、殺人鬼をやってみたいとか、そういう漠然としたの結構みんなあったりするじゃないですか。


白江:あ、そうそう。それは分かりますよ。

なんかでも、これって、例えば、小柄な女性の俳優さんがいて、いつも幼い役ばっかり当てがわれちゃうみたいな感じで、だからこそ大人っぽいみたいな話はよく聞く。


栗茂:あ、それは分かります。確かに 。そうですよね 。

だから、名作はいつかやりたいなとか、例えばゴドーをやりたいとか、そういうのはあるかもしれないけど。

でも何かそれと今回は違うじゃないですか。あそこは通っておかなきゃな的なやつと。


白江:確かに。そうですね。

私はやりたい作品1個あって、演出で。

それは高校生の時に見た演劇で、すごい好きな演出をしてる方がやってたやつなんですけど、

強烈に自分の演劇というものの原体験になって、いつかやるぞって思ってるんですけど、うん。

それってもしかしたら似てるかもしれない。

でもそれを本当にやる、どうするって考えた時に、私が見た演出のイメージが強すぎて、どうやればいいのか分かんないんですよ。最初に見た作品…親。うん。親の作品があった時に、そのイメージを塗り替えるとか超えるとか、なんかそれをどういうふうに自分の手つきで扱っていくのかっていうのは全然思いつかなくて今のところ。


栗茂:うんうん。


白江:逆にだからその、美月さんが今回やりたいぞって思ったやつを、どうやって美月さんが俳優としてどういう風に扱っていくのかっていうのは、すごくめっちゃ気になるところなんですよね。


綿貫:そうですね。でも私も今白江さんが言った通り、やっぱり見たものをつい模倣しちゃいそうなところが怖いなって思ってたんですけど。

でもすごいありがたいことに、白江さんが、どんどんどんどん違う面白い演出をやってくださるから、この時点でも全然違う。


栗茂:わかる!違うなと思った。


綿貫:オリジナルのものになったと思う。


栗茂:そうそうそう。すごい分かります、それ。


綿貫:めっちゃそれがすごくありがたくて。

で、私がどうアプローチしていきたいかなって思った時に、こんなこと言ったらあれなんですけど、もう気にしないようにしようと思って。原作、というか見たやつを。


白江:うん、うん。


綿貫:最近も見返さないようにしてるし笑


栗茂:なるほど。


綿貫:原作見ちゃうと、それが正解だって思っちゃいそうだから笑

あとはもう、本当に、正直に今目の前にいる人と向き合うっていうところ。私がこの役をどんどん構成して考えていった結果、出来上がるものは何かなって。

白江さんが考えてくださる演出だったり、皆さんと一緒に作っていくもので面白いものを見せられるようにって思ってます。

普段、いつもやってる作品と同じように真摯にその役に向き合ってやっていきたいなというのが最近の結論です。

やる前まで私これどうやっていくんだろうみたいな。本当にできるのかなみたいな不安でいっぱいだったし、まだ不安でいっぱいなんですけど。


栗茂:うん。でもなんか今回は、これはこれで他のとは絶対違う作品になるなって思いました。出演者だけでこんなに変わるんだと思ったし


白江:やっぱり演出を考えたり、皆さんが読んでるのを聞いてて、本当に戯曲の力が強いっていうのは、セリフとして強いからこんだけ遊んでも大丈夫みたいなところがあるなと思って。


綿貫:確かに!どんな作品に最終的に仕上がるか、私も楽しみです。

 
 
 

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